• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

ナローバンドUVBの鼻腔内照射によるアレルギー性鼻炎の治療

研究課題

研究課題/領域番号 20K18254
研究機関徳島大学

研究代表者

神村 盛一郎  徳島大学, 病院, 助教 (90867194)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードナローバンドUVB / アレルギー性鼻炎 / アレルギー性鼻炎モデルラット / アポトーシス / DNA損傷
研究実績の概要

アレルギー性鼻炎モデルラットであるTDI(トルエンジイソシアネート)で感作したラットの鼻腔にナローバンドUVBを単回照射し、TDIで誘発されるくしゃみ回数をカウントし、鼻粘膜のヒスタミンH1受容体(H1R)mRNAをリアルタイムRT-PCRで測定した。ナローバンドUVBをモデルラットの鼻腔に200mJ/cm2,400mJ/cm2,600mJ/cm2,1400mJ/cm2の用量で単回照射すると、TDIで誘発されるくしゃみ回数と鼻粘膜ヒスタミンH1受容体(H1R)mRNAのup-regulation が、用量依存性に抑制された。この抑制は600mJ/cm2以上の照射用量で有意であった。
600mJ/cm2の用量での単回照射の抑制効果は、照射後24時間後まで持続したが、48時間後には消失していた。ナローバンドUVBをラットの鼻腔に600mJ/cm2の用量で単回照射しても鼻粘膜上皮細胞のDNA損傷を引き起こさず、ごく少数 (6.2%)の細胞にapoptosisが誘導されたのみであった。600mJ/cm2の用量で単回照射後、24、48時間後に鼻粘膜上皮細胞に遅発性にDNA損傷が誘導された細胞を認めず、apoptosisが誘導された細胞の増加も認めなかった。
1400mJ/cm2の用量で単回照射すると少数(9.6%)の鼻粘膜上皮細胞にDNA損傷を引き起こし、少数の細胞 (8.9%)にapoptosisが誘導された。
ナローバンドUVBのアレルギー性鼻炎モデルラットの鼻腔への単回照射が、apoptosisやDNA損傷を誘導せずに効果をもたらす至適用量は600mJ/cm2である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ナローバンドUVBの単回照射によるアレルギー性鼻炎モデルラットのヒスタミンH1受容体遺伝子発現の抑制の効果と、その持続時間を証明でき、持続時間も検討できた。当初予定していた動物実験は、新型コロナウイルスによる動物実験室の使用停止などにより遅延した。具体的には、動物実験のn数の減少を余儀なくされた。また、再現実験は次年度に行うこととした。しかしながら、実験自体は予定していた内容を行い得たためおおむね順調であると考える。

今後の研究の推進方策

初年度はナローバンドUVBの単回照射による至適照射条件を検討したが反復照射は未検討である。次年度はナローバンドUVBの反復照射による効果や持続時間の検討を行う。また、反復照射が有効である場合、反復照射による効果の持続時間やアポトーシス、DNA損傷の有無も併せて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響で、動物実験回数が減少した。予定していた実験は行い得たが、n数がやや少なくなった。また、参加予定であったが学会が中止やオンライン開催となり、旅費が減少し、想定していたより使用額が少なくなった。これらにより、次年度使用額が生じた。翌年分として請求した研究費と合わせて、次の動物実験を行うとともに初年度の再現実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of narrow-band UVB on nasal symptom and upregulation of histamine H1 receptor mRNA in allergic rhinitis model rats.2021

    • 著者名/発表者名
      Seiichiro Kamimura
    • 雑誌名

      Laryngoscope investigative otolaryngology

      巻: 8 ページ: 34-41

    • DOI

      10.1002/lio2.518.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ナローバンドUVB光線療法のアレルギー性鼻炎モデルラットの鼻粘膜ヒスタミンH1受容体遺伝子発現と鼻症状に対する効果2020

    • 著者名/発表者名
      神村盛一郎
    • 学会等名
      第38回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
  • [学会発表] Intranasal irradiation with narrowband-ultraviolet B suppresses nasal symptoms and up-regulation of histamine H1 receptor mRNA in the nasal mucosa of rat model of allergic rhinitis2020

    • 著者名/発表者名
      Seiichiro Kamimura
    • 学会等名
      JSA/WAO Joint congress2020

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi