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2020 年度 実施状況報告書

2光子顕微鏡を用いた大脳皮質運動野の嚥下機能Top-down修飾機構と病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18262
研究機関獨協医科大学

研究代表者

穴澤 卯太郎  獨協医科大学, 医学部, 助教 (70622299)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード嚥下機能 / 末梢神経 / 大脳皮質嚥下運動野 / 2光子レーザー顕微鏡 / 嚥下障害
研究実績の概要

本研究は、嚥下機能を直接修飾していると考えられている大脳皮質嚥下領野に着目し、新たな可視化技術を用いて直接脳活動を観察することで大脳嚥下領野の修飾作用を解明する。
2020年度においては、野生型マウスを用いて継続的に大脳皮質嚥下領野を観察するための頭蓋窓を作製する技術を習得し、頭蓋骨を固定し対物レンズ下での観察を可能とする実験系を確立した。さらに2光子顕微鏡を使用して、麻酔下においてin vivoイメージングを行いマウス大脳皮質嚥下領野の血管走行を3次元的に可視化することが可能となった。具体的には、顕微鏡による観察直前にマウス尾静脈にFITCデキストランを投与することで血流を可視化し、大脳皮質表面の動脈および静脈の形態を観察することが可能となった。また、2光子レーザーによるアブレーション技術を用いて脳表面の任意の領域を焼灼させる技術を習得し、大脳皮質嚥下領野傷害モデルを作製することができた。
今後は、さらに高い技術が必要となるウイルス注入技術を用いて、野生型マウスの神経細胞に蛍光タンパク質を発現させ同顕微鏡で観察することを予定する。また、レーザーアブレーション後の回復過程を血管の形態変化による動態観察および神経細胞の可視化による神経再構築過程を観察することを目標とする。本研究は、生体マウスによる慢性的なイメージング実験を予定しているため、同一マウスでの障害前後および回復過程を観察できることが望ましいが、嚥下機能の障害により経口摂取が不良となる個体も認めることから脳における神経細胞活動性の指標となる最初期遺伝子の免疫組織化学染色も検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

嚥下に関わる大脳皮質の神経細胞を直接観察するために、皮質の表面を露出させ観察窓を通して皮質表面を観察する技術を高い確率で継続的に行える実験系が予定通り確立したため。さらに、同実験系を用いて、マウス尾静脈にFITCデキストランを投与することで皮質表面の血管を可視化し、イメージング画像の取得および画像処理も同時に行うことができるようになったため。

今後の研究の推進方策

大脳皮質を慢性的に観察する実験基盤はほぼ確立されたため、今後ベクター注入技術を習得し嚥下領野の神経細胞を可視化する。対物レンズ下で観察することで嚥下時の神経細胞集団の活動を観察し解析することができる。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の研究費において、値引き交渉により物品購入費用が抑えられたため
物品試薬・実験動物含め、現在の新しく構築した実験系を用いて継続して継続して研究を行っていく。

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公開日: 2021-12-27  

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