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2020 年度 実施状況報告書

嗅覚系再生における末梢-中枢連関 嗅神経から海馬まで

研究課題

研究課題/領域番号 20K18268
研究機関金沢医科大学

研究代表者

中村 有加里  金沢医科大学, 医学部, 助教 (80769117)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードRostral migratory stream / 嗅覚中枢再生 / 脳透明化 / 認知症 / 嗅神経 / 神経芽細胞
研究実績の概要

マウスの脳を分割し厚みのある切片を作成し、透明化を行う事に成功した。脳の薄切切片をこれまでに透明化にする事は可能であったが、厚みのある切片を透明にする試みはこれまでになされていなかったため、厚みがある検体を透明化する事で構造をある程度保ったまま立体的な観察を行う事が可能となる。また、今回注目して確認を行う予定であった脳から嗅球へと移行する神経芽細胞の検出を免疫染色を用いて描出し、その移行ルートや大まかな形態について明確に確認する事が可能となった。厚みのある切片の場合、透明化に加えて細胞を染色する事は難しいため、描出が可能となったのは今回の研究において非常に重要であると考えられる。また、これまでに脳から嗅球にかけての移動ルートについて、全て同じ方向に向かって真っすぐに向かうものだと考えられていた。しかし、この移動ルートは神経芽細胞が連なり、更に螺旋状構造を形成しながら嗅球の方向へ向かっていくことが今回の研究において新たに判明した。それだけではなく、螺旋状構造のルートのみならず一部規則性を持たない別のルートを形成し、螺旋状構造から独立して移行している事も明らかとなった。これは、脳内での新しい細胞形成の動態の一つとして重要なものと考えられる。
今後も更に透明化と細胞組織染色を組み合わせて更に立体的に観察を行えるようにし、細胞移行の動態変化を経時的に観察を行っていく予定で、これらのルート形成についての意義についても考察を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

透明化および、その細部の神経芽細胞描出が同時に行えるかどうかが大きな課題となっていたが、今回そのどちらも同時に行う事が可能となり、更に神経芽細胞の描出も明瞭であったことから、今後の動態変化の確認も更に進められる事が可能となると予想される。

今後の研究の推進方策

透明化、神経芽細胞の描出方法を生かし、神経芽細胞の具体的な経時的動態変化や、嗅粘膜を障害されたマウスの神経芽細胞の動態や増加、減弱の有無などについての変化を今後検討予定である。

次年度使用額が生じた理由

本来であれば研究成果につき学会などでの発表や追加研究などを予定していたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により学会発表の機会が大幅に減り、それに使用予定であった費用が全く使われなかったため。
今後追加研究への使用をメインとして行う予定としている。

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公開日: 2021-12-27  

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