本研究では甲状腺癌に対する放射線療法と分子標的薬レンバチニブの相乗効果に着目し、両者の併用による抗腫瘍効果とそのメカニズムについての基礎的検討をおこなった。甲状腺癌細胞株(K1、FTC-133)とその担癌マウスを用いた実験で、放射線外照射とレンバチニブの併用療法により高い抗腫瘍効果が得られることが示され、そのメカニズムとしてアポトーシスの誘導、G2/M期における細胞周期の停止、照射後の腫瘍細胞内におけるレンバチニブ濃度の上昇が寄与している可能性が示唆された。本研究の発展により、難治性甲状腺癌に対する新たな分子標的薬併用放射線療法の開発とその臨床応用が期待される。
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