研究課題/領域番号 |
20K18270
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
深堀 光緒子 久留米大学, 医学部, 講師 (50529310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 咽頭収縮筋 / 自律神経 / 輪状咽頭筋 / 食道入口部括約機構 |
研究実績の概要 |
動物実験:ビーグル犬(10㎏、11㎏、13㎏) 1.解剖学的探索 全身麻酔下管理のもと左頸部外切開で神経走行を確認した。頸動脈鞘内にさらに同じ鞘で包まれた迷走神経および交感神経幹を同定し、迷走神経遠位神経節の膨大部から上喉頭神経が分枝していることを確認した。上喉頭神経はさらに内枝と外枝に分岐し、内枝は舌骨甲状間から喉頭に、外枝は甲状咽頭筋上を走り輪状甲状筋へ至った。迷走神経遠位神経節の腹側に交感神経前頸神経節を確認した。これら二つの神経節の間は索状物で連結していた。また中および下咽頭収縮筋の後側方に沿って縦方向に走行し、同筋へ至る細い神経枝(網状)を確認した。網状にネットワークを形成し肉眼で全てを確認することは困難であった。中枢側は迷走神経遠位神経節と交感神経前頚神経節近傍より中枢側に連続していたが分岐部を同定することは困難であった。 2.神経生理学的探索 ①神経刺激試験:浅麻酔下に、双極針電極を輪状咽頭筋、甲状咽頭筋に刺入し、副交感神経(下神経節、その中枢および末梢、分枝)、交感神経(上頚神経節)を電気刺激し、筋活動を記録した。甲状咽頭筋および喉頭筋の運動が同時に誘発され輪状咽頭筋単一運動の導出が不可能であった。電極の固定方法や喉頭筋運動の制御など検討が必要である。(使用機器の故障、不具合のため改めて実験を行う) ②薬理学的試験:交感神経および副交感神経作動薬を静脈投与し、輪状咽頭筋の筋活動を記録した。経口的に食道入口部の輪状咽頭筋隆起部へシート状双極電極を固定し、筋電図記録と同時に経口的に輪状咽頭筋の動きを観察した。筋活動は交感神経優位で大きく、副交感神経優位で小さい結果であった。また、交感神経優位では、安静時と比べ呼吸運動に連動して輪状咽頭筋のダイナミックな動きが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
使用機器の不具合、新規機器の選定に時間を要した。大型動物実験の実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
使用機器の調整、動物実験方法の見直し
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次年度使用額が生じた理由 |
使用機器故障と新規機器選定に時間を要し研究計画に遅れが生じた。次年度に新規購入を行う予定である。
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