研究課題
若手研究
神経傷害に対するNicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)の作用につきNAD+濃度の高いCD38ノックアウトマウス並びにNAD+前駆体を投与し濃度を高めたモデルを用いて検討を行なった。神経切断後の顔面神経核では神経保護効果は認めなかったが、末梢神経の変性が遅延した。このことから、NAD+濃度が高いことは神経傷害から神経を保護する作用があり、NAD+前駆体を投与することでもその効果が得られることがわかった。
顔面神経
以前からNicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)の神経変性に対する保護効果は指摘されていたが、今回は末梢神経においても同様の効果を認めることがわかり、また投薬での人為的なNAD+濃度の上昇でもその効果が得られることがわかった。これにより神経傷害後にNAD+濃度を高めるような治療が神経変性を抑制する可能性が示唆され、神経傷害後の新たな治療法の開発につながることが考えられる。