研究課題/領域番号 |
20K18275
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
渡辺 浩介 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (20622434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | epigenome / allergic rhinitis / IgE / IL4 / LPCAT2 |
研究実績の概要 |
鼻粘膜の擦過細胞と、末梢血中の末梢血単核球細胞(PBMC)に対して、エピゲノム解析を行い、アレルギー性鼻炎との関係を調べた。その結果、特に鼻粘膜の擦過細胞におけるLPCAT2のメチル化は、アレルギー性鼻炎の重症度に関連があることが示唆された。PBMCでは、遺伝子のメチル化と重症度に関連のある遺伝子を指摘することはできなかった。 LPCAT2は、血小板活性化因子(PAF)の産生に関連しており、アレルギー性鼻炎の種々の症状を助長させることが知られている。現在、アレルギー性鼻炎の治療方針の判断は患者の主観で決定される重症度に従っている。これまで、アレルギー性鼻炎に関連するバイオマーカーは存在しなかったため、鼻粘膜擦過細胞のLPCAT2のメチル化の測定は、アレルギー性鼻炎の治療方針について補助的な役割を果たすと考えられる。 2020年度は、この内容の論文にまとめ、American Journal of Rhinology & Allergyへ投稿し採用された。(LPCAT2 Methylation, a Novel Biomarker for the Severity of Cedar Pollen Allergic Rhinitis in Japan) また同時に、アレルギー性鼻炎の疫学について研究をすすめた。第47回山梨医学会にて1998年と2020年における花粉症患者の年齢層や発症年齢について検証した結果、いずれも低年齢化をきたしている可能性について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、遺伝子解析・統計解析は終了し、結果を論文として報告することができた。研究は順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降は、成果を学会での発表を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
複数人数の血清中のIgE抗体を測定することとなったが、被験者の募集は1年で完了せず数年にわたって募集することとなった。そのため、資金を繰越している。
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