研究代表者はカプサイシン軟膏による外耳道刺激が高齢嚥下障害患者の咳反射を亢進させ、刺激の反復により誤嚥性肺炎を予防できる可能性があることを示してきた。本研究では、高齢嚥下障害患者の嚥下訓練に本法を併用することで訓練開始から経口摂取までの期間を短縮させ、カプサイシン軟膏の外耳道刺激は嚥下訓練を促進する可能性があることを示した。また、認知症で嚥下訓練が困難な90歳以上の寝たきり超高齢嚥下障害に本法を行い、患者の咳反射を亢進し熱発回数を減少させ経口摂取を継続させた。カプサイシン軟膏による外耳道刺激は、嚥下訓練が困難な患者にも咳反射の亢進により下気道炎を予防し経口摂取の継続に寄与する可能性を示した。
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