• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

細胞老化に焦点を当てた、老人性難聴の治療法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20K18286
研究機関九州大学

研究代表者

土橋 奈々  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20826333)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード老人性難聴 / 細胞老化
研究実績の概要

本研究では、細胞老化の観点から老人性難聴の病態解明、治療に繋げることを目的とし、内耳老化モデルマウスや老化細胞除去マウスを用いて、老化細胞除去の聴力に与える影響を明らかにするとともに、より効果的な難聴予防・治療のために老化細胞の分泌機能に着目した解析を行うことを目的とした。
本研究では、老化促進マウスSAMP8とそのコントロールであるSAMRマウスを用いて、それぞれの経時的な聴力の変化を評価し、内耳における加齢による老化細胞の蓄積を確認し、老化関連マーカーの検出をおこない、正常細胞から老化細胞へ移行したことを評価し、次に老化細胞が検出され、聴力低下を認めたマウスに対して老化細胞に選択的細胞死を誘導する活性をもつセノリティック薬を投与する。セノリティック薬投与により内耳の老化細胞が除去されるかを形態学的に確認し、聴力が改善するかどうかを検証し、細胞老化と老人性難聴の関連を検討するという計画とした。
老化促進マウスとして知られるSAMP8、SAMP1マウスと、そのコントロールであるSAMRマウスに対してABRにて聴力測定を行ったところ、経時的に聴力に差が生じることを確認した。SAMP8マウスでは半年時点で高度難聴を示したが、SAMP1、SAMRマウスでは中等度難聴にとどまり、生後1年でもその傾向が持続していた。 また老化促進マウスにおいて老化細胞の検出を行った。内耳にSA-β gal染色を行ったところ、らせん神経節と内有毛細胞、外有毛細胞に老化細胞の蓄積を認めた。しかし生後3か月と生後9か月の時点でSA-β gal染色の程度に有意差を認めず、先行論文で陽性が認められている細胞老化のマーカーの免疫染色にても同部位への有意な染色は得られず、一貫性を欠くデータとなった。老人性難聴としての聴力と細胞老化には乖離が認められた。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi