一般的に唾液腺腫瘍に対する精度の高い良悪性鑑別は困難であり、2018年版の頭頸部診療ガイドラインでも唾液腺癌の術前細胞診における悪性診断の感度は60-75%程度にとどまり限界がある。 今回の付随研究では、唾液腺腫瘍の一つである顎下腺腫瘍に関し、細胞診の結果が多形腺腫以外の症例において、良悪性の鑑別に迅速病理診断がより有用となる可能性があることが分かった。この結果は、顎下腺腫瘍において手術中の迅速病理診断を行うべき症例の選択するのに役立つものになると考えられる。より効率的な診療や医療費の削減にも貢献するものと判断され社会的にも意義がある研究成果といえる。
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