研究課題/領域番号 |
20K18300
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
佐藤 晋彰 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 頭頸科医師 (10859622)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 / エピジェネティクス / バイオインフォマティクス / 転写リプログラミング |
研究実績の概要 |
独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科にて患者より手術摘出した頭頸部がん組の原発巣、頸部リンパ節転移巣、非腫瘍組織の合計20検体からRNAを抽出し、BGI JAPAN株式会社に送付して次世代シーケンサーによるRNAシーケンシングを行なった。この結果、原発巣と非腫瘍組織間の発現変動遺伝子に加えて、頸部リンパ節転移巣に特異的に高発現を示す一連の遺伝子群を同定した。これらの遺伝子群には主に細胞接着やEMTに関与する遺伝子の濃縮が見られた。これらの遺伝子群の転写を制御する転写因子の同定や転写調節領域の同定のため、現在同一患者の原発巣、頸部リンパ節転移巣、非腫瘍組織を用いてChIPシーケンシングを行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ChIPシーケンシングに関しては当初の計画を変更し、アクティブモティフ株式会社へ解析を依頼する方針とした。概ね良好なデータが得られる見込みであるが、解析に時間を要している。一方でRNAシーケンシングについてはデータ解析が完了しており、ChIPシーケンシングのデータと合わせた比較統合解析を実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ChIPシーケンシングのデータ取得、解析が完了次第、RNAシーケンシングのデータと合わせて比較統合解析を行い転写因子結合モチーフの同定、スーパーエンハンサーを介した転写リプログラミングの標的となっている遺伝子群の同定を行う。また、これらの転写標的遺伝子群の蛋白発現を臨床標本の免疫染色によって検証し、臨床病理学的因子との相関を解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
RNAシーケンシングならびにChIPシーケンシングについては初年度に外注での解析を依頼したが、RNAシーケンシングのデータ受領は2021年4月、またChIPシーケンシングについては解析結果待ちであるため、それぞれの費用請求が初年度には発生せず、次年度の請求となる予定である。初年度からの繰越分を用いてこれらの費用を賄う予定であり、次年度分の助成金と合わせてデータ解析ならびに試薬購入等を行う。
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