研究課題/領域番号 |
20K18306
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 剛史 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (90849481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 副甲状腺 / 自家蛍光 / 感度・特異度 / 甲状腺手術 / 術後副甲状腺機能低下症 |
研究実績の概要 |
副甲状腺が近赤外線に励起され、自家蛍光を発する事象を研究している。初年度は、市販品である浜松ホトニクス社のpde-neoを用いて、副甲状腺の観察を行った。甲状腺手術時に副甲状腺を温存する必要があるが、その用途で使用した場合に有用であるかを検討した。 32例の甲状腺手術時に、近赤外線装置を持ちて、眼で見ただけの場合と、装置を用いた場合に分けて検討したところ、正常副甲状腺の98%程度に自家蛍光があることが判明し、自家蛍光が確認できない場合は、血液などが弊害となっていると考えられた。甲状腺手術の専門医が目視で副甲状腺と診断する精度と器械を用いて診断する精度は同等と考えられ、手術の経験が少ない術者にとっては診断目的に有用であると考えた。さらに、副甲状腺は摘出後に血流の豊富な組織に移植することで機能が回復することが分かっており、切除後の組織から副甲状腺を探索することが重要であるが、その場合は近赤外線装置による自家蛍光をガイドとすることで発見できる副甲状腺の数が増加した。装置を用いることによる副甲状腺診断と探索の精度を調査した結果を、Near-Infrared Fluorescence Imaging in the Identification of Parathyroid Glands in Thyroidectomy. Laryngoscope. 2021 May;131(5):1188-1193. として、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた市販品の近赤外線装置の精度調査を終了した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、副甲状腺の自家蛍光物質の同定のため、理学部と共同で研究を進めている。さらに、安価なスコープ型近赤外線装置が作成できないかと、工学部および企業と調整中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid19の蔓延により、参加予定してた学会がオンラインとなり、旅費が使用されなかった。 副甲状腺の自家蛍光物質の同定を進めており、成分分析機器の予算とする予定である。
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