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2021 年度 実施状況報告書

Streptozotocinが有する聴覚障害・前庭障害の横断的な検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K18309
研究機関名古屋大学

研究代表者

杉本 賢文  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30759668)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードStreptozotocin / 薬剤性内耳障害 / 糖尿病性内耳障害 / 糖尿病性聴覚障害 / 糖尿病性平衡障害
研究実績の概要

【背景】Streptozotocin(STZ)は哺乳類の膵臓β細胞への毒性を有しているため、ヒトのランゲルハンス島由来腫瘍に対する抗癌剤として本邦で使用されるだけではなく、1型・2型双方の糖尿病モデル動物を作成する際にも広く用いられている。糖尿病は難聴等の内耳障害を合併することが明らかになり、STZを用いた糖尿病モデル動物を使用した基礎研究が行われてきたが、STZ自体が耳毒性を有しているのかは不明確であり、研究上のリミテーションとなっている現状がある。
【目的】STZによる耳毒性の有無を、蝸牛系・前庭系それぞれで電気生理学的・組織学的に横断的に評価することが本研究の主目的となる。また、耳毒性を生じず、糖尿病状態を発現できるSTZ腹腔内投与量を明らかにし、STZを用いた糖尿病モデルマウスにおける糖尿病性内耳障害研究のための基盤データを確立させたい。
【結果】引き続きC57BL/6Jマウスを対象とした鼓室内投与による耳毒性の定性的評価を行った。鼓室内にSTZを投与した群、ネガティブコントロールとして生理食塩水を投与した群、ポジティブコントロールとしてGentamicin(GM)を投与した群に分け、投与前、投与後の経時的なABR評価を実施した。鼓室内投与後の鼓膜穿孔の改善を確認した1ヶ月後のABR結果では、STZ群、GM群共に難聴所見を呈することを確認した。GM群では前庭障害所見を呈する例を多かったが、STZ群では前庭障害所見を呈した例は認めなかった。
【今後の検討課題】鼓室内に投与する薬剤濃度を薄めても同様な難聴所見を得られるか検討したい。鼓室内投与による評価が十分な例数になれば、腹腔内投与による耳毒性の定量的評価へ移行して研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

鼓室内投与による耳毒性の定性的評価が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

鼓室内投与濃度による影響を調査する。また、腹腔内投与による耳毒性の定量的評価を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19による緊急事態宣言に伴う不急の動物実験の制限が行われた時期があったため、実験に伴う経費が減少し、結果的に一部残金が生じた。繰越金は次年度の実験費用として使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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