好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は手術をしても再発しやすい難治性疾患である。酪酸は炎症の制御に関わっているとされているが、上気道炎症の制御においては不明な点が多い。我々は酪酸によるECRSの炎症抑制作用について検討を行なった。マウスに複合抗原と酪酸を点鼻すると酪酸を投与したマウスは2型炎症が抑制された。ヒトのILC2、Th2細胞、CD19陽性B細胞にも炎症を惹起させるサイトカインと共に酪酸を投与したところ2型炎症を抑制した。実際にECRSの患者から採取した血液、ポリープも同様に炎症性サイトカイン産生の抑制を確認した。 これらから酪酸はECRSの患者の2型炎症を抑制する効果を有する可能性を示した。
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