内耳恒常性維持に組織マクロファージは必須とされるが、その詳細な機構については未だ明らかにされていない。本研究では、Multiplex IHC/Image cytometry技術を用いて、6種類のマクロファージ表面マーカーを同一切片上で可視化することに成功した。これにより蝸牛マクロファージにおいても、古典的M1/M2サブセット以外に多様な表現型が存在することを見出した。また聴器毒性のあるシスプラチン投与により、マクロファージ数及びその表面マーカー発現が、一過性聴力変動と共に経時的に変化することが明らかとなり、シスプラチン難聴の病理に蝸牛神経周囲の免疫応答が関与している可能性が示唆された。
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