研究課題/領域番号 |
20K18326
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
長谷川 央 日本大学, 医学部, 助教 (30836565)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 舌癌 / von Hippel Lindau / 癌抑制遺伝子 / 免疫組織化学染色 / 異形成 |
研究実績の概要 |
舌癌の罹患数は増加の一途をたどっている。若年患者が多く、再発頻度が高く、再発期間が短く予後が悪いため、新たな舌癌のバイオマーカー開発は急務である。申請者はすでに、舌組織における癌抑制遺伝子の1つであるvon Hippel-Lindau(VHL)の産物であるproduct VHL(pVHL)の免疫組織化学染色が、前癌病変である舌異形成の新たなバイオマーカーとして有用である可能性を初めて報告した。本研究では、pVHLに着目し、舌異形成から癌への悪性転化、舌癌の予後の新たなバイオマーカーとしての可能性を追求する。さらに、すでに保有している、舌癌に進行した異形成、再発転移した舌癌の網羅的な遺伝子解析を行う。舌癌発症候補遺伝子を同定し、舌癌細胞株も用いて、VHLの発現との相関を解析する。舌癌の発症および悪性度のメカニズムを明らかにすることで舌癌の罹患数と死亡数を減らすことを目的としている。 本年は以下の解析を行う予定であった。 1)臨床検体での免疫組織化学(免疫)染色像の解析。舌癌に進行した異形成と再発転移した舌癌のpVHLとCK17、Ki-67の染色像の相関を解析する。さらに、それらの染色像をスコア化(強さ、範囲)し、それぞれの染色性を解析する。 2)臨床検体でのRNA網羅的解析。舌癌発症候補遺伝子を同定する。癌に進行した異形成に着目し、癌に進行しなかった異形成と舌癌とで発現が異なる遺伝子を舌癌発症候補遺伝子とし、30個程度まで絞り込む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルス感染症拡大防止のため、病院に併設された研究室がある医学部の敷地内に入れない時期が続いた。そのため、概要に示した1)と2)の研究を遂行することができなかった。予定していた研究に必要な物品の購入は完了した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染症拡大防止のため、病院に併設された研究室がある医学部の敷地内に入れない時期が続いた。そのため、概要に示した1)と2)の研究を遂行することができなかった。予定していた研究に必要な物品の購入は完了した。コロナウイルス感染症の拡大状況を確認しつつ、研究を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症拡大防止のため、病院に併設された研究室がある医学部の敷地内に入れない時期が続いた。そのため、概要に示した1)と2)の研究を遂行することができなかった。予定していた研究に必要な物品の購入は完了した。研究を行うための物品を購入することはできたが、実際に研究を行うことができなかったため、消耗品などを追加購入する必要がなかったため。しかし、代わりに次年度は使用額の繰り越しが必要である。
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