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2021 年度 実施状況報告書

未熟児網膜症の疫学研究(多施設研究)

研究課題

研究課題/領域番号 20K18335
研究機関山形大学

研究代表者

武田 祐介  山形大学, 医学部, 医員 (70550664)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード未熟児網膜症 / 多施設研究 / リスク因子 / 眼圧
研究実績の概要

山形県内で未熟児網膜症スクリーニングの診察を受けた児の全例集計を行った(多施設研究)。研究計画の通りに、山形県内にある4つの新生児集中治療室(NICU)を対象施設とした。昨年度は未熟児網膜症の発症、治療、児の出生状況などの基本項目のデータを充実させたが、今年度はその他の詳細な臨床経過(各種薬剤の使用、人工呼吸器の着脱、眼科の診察回数・時期、眼科領域以外での治療の有無)についても追加集計した。

昨年度に引き続き、山形県における未熟児網膜症の出生体重、出生週数、発症率、治療率などの現状評価を行なった(記述的研究)。未熟児網膜症の発症率に関わる各種リスク因子の感度、特異度を追求するため、ROC曲線についての文献学的考察を行い、統計ソフトを用いて統計手法の応用について試み複数の解析コードを作成した。

さらに、文献学的考察により、眼科の基本検査項目である「眼圧」が新生児診療・臨床研究からほぼ除かれていることに注目した。成人では高眼圧や低眼圧が網膜の形態異常を生じ続発疾患を生じることが知られている。しかし新生児と眼圧、未熟児網膜症と眼圧についての関係について統一した見解は得られていない。これは、新生児の眼圧を測れる眼圧計が普及していないことに起因すると判断した。よって今年度は新生児対応のハンディタイプの眼圧計を購入し、眼圧測定を開始した(新規リスク因子の探索)。今後十分なデータが得られた場合は、統計学的検定を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

山形県内4病院のNICUを対象しているが、各病院でカルテのフォーマットが異なり(うち一施設は眼科は紙カルテ)、データ集計にかなりの時間を要した。また新型コロナウイルス感染症の流行により、代表研究者が各病院に移動してデータ収集・確認をする機会が大幅に失われた。

今後の研究の推進方策

未熟児網膜症の発症、治療、児の出生状況などの基本項目に加えて、詳細な臨床経過(各種薬剤の使用、人工呼吸器の着脱、眼科の診察回数・時期、眼科領域以外での治療の有無)のデータも収集・確認ができたので、最終解析結果をまとめる。また新型コロナウイルス感染症の流行状況や各国の渡航制限の程度にもよるが、可能な限り学会発表も行い国内外の研究者との情報交換を行う。

次年度使用額が生じた理由

代表研究者の各病院への移動は必要であったが、山形県内のNICUにおけるデータ収集法は確立していたため、データ収集には支出を必要としなかった。
当初は新生児対応眼底カメラの購入を予定していたが、レンタル器具の使用経験や研究者間の情報交換により、iPhone + 眼底診察レンズによる撮影(従来の眼科診察器具を用いた撮影)の方が望ましいと考え、新規に眼底カメラは購入しなかった。
また新規リスク因子の解明のために新生児対応のハンディタイプ眼圧計を1台購入したが、次年度使用に持ち越せる資金を残せた。当該眼圧計の有用性が確認できれば、もう1台の購入を検討する。

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公開日: 2022-12-28  

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