研究実績の概要 |
山形県内で未熟児網膜症スクリーニングの診察を受けた児の全例集計を行った(多施設研究)。研究計画の通りに、山形県内にある4つの新生児集中治療室(NICU)を対象施設とした。当初集計した未熟児網膜症の発症、治療、児の出生状況などの基本項目のデータに加えて、昨年度は詳細な臨床経過(各種薬剤の使用、人工呼吸器の着脱、眼科の診察回数・時期、眼科領域以外での治療の有無)についても追加収集を開始し、収集を完了した。このデータセットを用いて、未熟児網膜症の発症率、治療率などの記述的統計解析に加えて、推論(Inference)および予測(Prediction)の2つのアプローチで解析する方針とした。推論としては、未熟児網膜症の発症率に関わる各種リスク因子の解析を行った。予測としては、従来の回帰モデルだけでなく複数の機械学習モデル(深層学習を含む)を用いて発表の予測モデル構築を行った。具体的には、機械学習モデルとしてはDecision Tree (Single Tree), Random Forest, Boosting, Support Vector Classifier, Support Vector Machine, Neural Networkを使用した。また研究を遂行するための統計ソフトウェアについて、R, Stata, SAS, JMP等の複数のソフトを使用して吟味した結果、拡張性の高さや出力フォーマットの体裁の点から、最終報告についてはRを使用することに決定した。
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