研究実績の概要 |
本年度は、能動免疫法によるアレルギー性結膜炎の誘導および即時反応における臨床症状の評価を行った。まずモデルの確立のため、マウスにOVAおよび水酸化アルミニウムゲルをPBSに懸濁したエマルジョンを投与しEc-OVAあるいはPBSを点眼した。その結果、当初の計画による免疫後4日間のOVA点眼ではアレルギー炎症の誘導が弱かったため、7日間点眼による検討を行った。Ec-OVA点眼後10分間掻破行動を確認するとPBS点眼群と比較して、1,3,4,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。点眼開始から8日後にEvans blue(EB)の漏出量を測定した結果、Ec-OVA群はPBS点眼群と比較して有意にEB漏出量が増加した。 この能動免疫法のモデルを用いて、アレルギーを誘導したマウスにPBS点眼群、Ec-OVA点眼群およびEf-OVA点眼群を設けて実験を行った。Ec-OVA点眼群はPBS点眼群と比較して、点眼2,3,4,5,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。また、Ef-OVA点眼群と比較しても点眼3,4,5,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。しかしながら、点眼開始から8日後のEB漏出量の検討では、PBS点眼群と比較してEc-OVA群は有意に漏出量が減少した。これらの結果から、エンドトキシン含有OVAの点眼によりアレルギーの即時反応が増強されることがわかった。しかしながら、EB漏出量の検討においてはEc-OVA群の点眼によって漏出量が増加しない場合が認められたため、検出の条件検討が必要と考えられる。
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