研究実績の概要 |
本年度は、能動免疫法の検討に加えて受動免疫法によるアレルギー性結膜炎の誘導および即時反応における臨床症状の評価を行った。 細胞移入を行い養子移入のモデルを確立するため、BALB/c DO11.10-TCRトランスジェニックマウスの脾臓および顎下リンパ節から細胞を採取し、EasySep Mouse CD4+CD62L+T Cell Isolation Kitを使用してCD4+CD62L+T細胞(ナイーブT細胞)を分離した。分離したナイーブT細胞に、マウスリコンビナントIL-2、マウスリコンビナントIL-4、抗IL-12抗体、抗IFN-γ抗体、OVAペプチド(322-339)およびBALB/cマウスから採取し30Gyのガンマ線を照射した脾細胞を添加して、3日間CO2インキュベーター内で培養した。得られた細胞に、マウスリコンビナントIL-2を添加してさらに4日間培養し、細胞を回収して3-5.5×10^6個の活性化T細胞(CD4+CD62L-T細胞)を同系のBALB/c野生型マウスに尾静脈から移入した。細胞移入の3,4,5,6日後にEc-OVA、Ef-OVAあるいはPBSを点眼し、掻破回数を計測した。細胞移入から4,5,6日後、PBS点眼群あるいはEf-OVA点眼群と比較してEc-OVA点眼群の方が掻破回数は多い傾向にあったが、各群に有意差は認められなかった。また、掻破回数も全体的に少なかった。細胞移入の7日後には眼球を含む眼瞼を摘出し、エバンスブルー色素(Evans Blue:EB)の漏出量を抽出後、測定したが、PBS点眼群、Ef-OVA点眼群あるいはEc-OVA点眼群のどの群においても、有意差は認められなかった。
|