研究課題
アレルギー性結膜炎の誘導および即時症状の評価を行うため、能動免疫法および受動免疫法の即時反応について検討した。能動免疫法は、マウスにOVAと水酸化アルミニウムゲルをPBSに懸濁したエマルジョンを初回腹腔内投与し、その7日後および14日後に追加でエマルジョンを投与した。初回投与の19日後から4日間、Ec-OVA、Ef-OVA、あるいはPBSを点眼し、点眼から10分間引っ掻き行動を観察した。PBS、Ef-OVA点眼群と比較してEc-OVA点眼群は点眼の2、3、4日後に引っ掻き回数が増加する傾向にあった。受動免疫法による即時症状の評価のため、DO11.10-TCR Tgマウスから調整した抗原特異的Th2細胞をBALB/cマウスに移入後4日間、Ec-OVA、Ef-OVA、あるいはPBSを点眼し、点眼から10分間引っ掻き行動を観察した。PBS、Ef-OVA点眼群と比較してEc-OVA点眼群は点眼の2、3、4日後に引っ掻き回数が増加する傾向にあった。受動免疫法によるモデルはIgE依存的ではなく、エンドトキシンにより引っ掻き行動が誘導されたものと考えられる。これらの引っ掻き行動が、ヒスタミン点眼薬あるいは免疫抑制点眼薬により抑制されるかどうかについて検討するため、初回投与の19日後から4日間、Ec-OVA点眼の1時間前と直前にPBS、抗ヒスタミン点眼薬あるいは免疫抑制点眼薬を点眼する群を設けた。PBS点眼群と比較して抗ヒスタミン点眼薬あるいは免疫抑制点眼群は引っ掻き回数が減少する傾向にあり、点眼の3日後には有意に引っ掻き回数が減少した。このことから、誘導された非IgE型アレルギー反応はヒスタミン依存性であり、Th2細胞が活性化されエンドトキシンに曝露されると引っ掻き行動が誘発されることがわかった。
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