ヒトeyes shut homolog (EYS)遺伝子は日本人常染色体潜性網膜色素変性(RP)の約3割を占める主要原因であり、また、錐体桿体ジストロフィーの原因でもある。しかし、現在治療法がない。喫緊の課題は、治療法開発研究へとつながるEYS蛋白質の分子生理機能・網膜変性機構の解明である。 そこで本研究では、EYSとLDL receptor related protein 5 (LRP5)の2遺伝子性変異がRPを引き起こす可能性を示した先行研究に着想を得て、eysとlrp5の2遺伝子性変異解析を行い、関連遺伝子としてretinol binding protein 1a (rbp1a)遺伝子を見出した。そして、LRP5とRBP1a蛋白質とが網膜色素上皮細胞(RPE)の微絨毛で協調的に働いている可能性を見出した。
|