現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
角膜内皮細胞における間葉転換の誘導に関わる経路として、ウイルス感染が重要であることが判明している。古典的間葉転換経路が、いかに炎症ストレスとクロストークするのかの解析をすすめつつある。角膜内皮細胞において、間葉転換の指標となる分子としてVimentin, E-cadherin、αSMAがあるが、経路の詳細を明らかにするため、間葉転換の関与する分子群(KLF4, DLL1, Notch1, TWIST1/2, SLUG, SNAIL, ZEB1/2)の寄与をさらに検証している。これまで、IRF7が感染後ストレスネットワークのmaster regulatorとして重要であることが判明した。次に、IRF7が感染後に生じる間葉転換に関与するかを検証した。その結果、IRF7の寄与が明らかになってきたが、その詳細を明らかにするため解析をすすめつつある。転写レベルにおける調節における寄与を明らかにすることを目的に、間葉転換因子群へのプロモータへの寄与を検証するため、Wnt/β-catenin Signaling Pathwayを含めた間葉転換制御のためのプロモータアッセイ系を確立した。一方、間葉転換を制御できれば、感染や加齢などにより生じる角膜内皮細胞の機能障害の進行を防止できる可能性がある。これにより、角膜内皮移植の必要性を減らすことができる。 このため、より直接的な間葉転換の制御ストラテジーもあわせて検討をすすめている。このため、Wnt経路の制御化合物探索のため、汐田教授との共同研究を開始した。これにより、有望な新規制御化合物候補の検証に入りつつある。角膜内皮細胞への毒性試験、さらに間葉転換の制御能、プロモーターの阻害活性の検証のためアッセイ系を確立し、IRF7を含めたmaster regulatorとのクロストークの解析に入りつつある。
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