研究課題
研究の目的・研究実施計画書の通り、①ゴニオスコープGS-1(以下GS-1)画像を使用して、病態に則した簡便かつ標準的で客観的な新規隅角判定法を確立、②GS-1隅角画像による自動判定の精度を向上させ、日常臨床での使用に耐えうるアルゴリズムを開発するべく研究を行った。①に関しては、「線状スティッチ全周隅角画像を用いたマイクロフック線維柱帯切開術眼内法の術後評価(縦断研究)」に関する後方視的観察研究を行い、第33回日本緑内障学会において発表を行った。また、「マイクロフック線維柱帯切開術眼内法後の隅角所見と手術効果」に関する後方視的観察研究を行い、第76回日本臨床眼科学会において発表を行った。さらに、GS-1の活用が臨床的に有用であった例として「結膜鉄片異物除去後に発症した遅発性外傷性緑内障・ステロイド緑内障の1例」についての発表を第46回日本眼科手術学会において行った。これらの研究成果は、現在、論文準備中である。②に関しては、深層学習に転移学習を適用することで、臨床上重要な隅角閉塞が起きるか否かの判定のため、強膜岬が見えるか見えないかに着目し、全周隅角カメラ画像による開放隅角自動判定アルゴリズムの作成・検討を行った。対象症例数を増やし、アルゴリズムの調整を含む様々な試行錯誤を行ったが、現時点での全体の正答率は73%を越えなかった。我々が報告した通り(Matsuo M et al. PLoS One. 2021)、隅角画像を用いた隅角判定の検者内一致率が緑内障専門家であっても必ずしも高くないことに依存する検査法自体の限界による結果かもしれない。さらに、上記の一連の研究成果に関する招待講演を、第127回日本眼科学会総会ほか、3つの国内学会において行った。
3: やや遅れている
異動に伴い、学術研究論文の執筆がやや遅れている。
現在までに行ってきた研究成果を英文査読付学術研究論文に投稿・掲載を目指す。
異動に伴い、論文執筆・投稿に遅れが生じているため。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)
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