研究課題
研究の目的・研究実施計画書の通り、①ゴニオスコープGS-1(以下GS-1)画像を使用して、病態に則した簡便かつ標準的で客観的な新規隅角判定法を確立、②GS-1隅角画像による自動判定の精度を向上させ、日常臨床での使用に耐えうるアルゴリズムを開発するべく研究を行った。①に関しては、過去に報告した「隅角手術術後の低眼圧黄斑症に対する低侵襲直接毛様体縫合」、「全周隅角カメラによる取得円形スティッチ隅角画像の質と関連因子」、「正常眼および開放隅角緑内障眼の隅角色素分布」、「線状スティッチ全周隅角画像を用いたマイクロフック線維柱帯切開術眼内法の術後評価(縦断研究)」に関して、現在、英語学術論文を準備中である。②に関しては、深層学習に転移学習を適用することで、臨床上重要な隅角閉塞が起きるか否かの判定のため、強膜岬が見えるか見えないかに着目し、全周隅角カメラ画像による開放隅角自動判定アルゴリズムの作成・検討を行った。対象症例数を増やし、アルゴリズムの調整を含む様々な試行錯誤を行ったが、やはり全体の正答率は73%を越えなかった。我々が報告した通り(Matsuo M et al. PLoS One. 2021)、隅角画像を用いた隅角判定の検者内一致率が緑内障専門家であっても必ずしも高くないことに依存する検査法自体の限界による結果かもしれない。上記の一連の研究成果に関する発表を、北澤克明記念緑内障学研究助成金(北澤賞)報告として第34回日本緑内障学会において行った。また、Monthly Book OCULISTA誌にて、「ゴニオスコープで診る隅角検査所見」に関する和文の報告を行った。
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すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
臨床眼科
巻: 11 ページ: 191-197
Monthly Book OCULISTA
巻: 129 ページ: 33-41