研究課題
網膜色素変性症 (RP: retinal pigmentosa) は、視細胞の神経細胞変性及び細胞死が進行することで、進行性夜盲や視野狭窄を呈する進行性の指定難病である。RPの主たる原因は、遺伝要因とされ、ビタミンAの内服などによる薬理的治療が行われているものの、有効性は一部の患者に限定される。この原因として、RPの原因が十分に理解できておらず、適切な治療薬が選定できていないことが挙げられる。本研究では、最近神経細胞変性との関係性が示唆されてきているPoly(ADP-ribose) polymerase-1 (PARP1) に注目し、PARP1がどのような機序で視細胞の変性に寄与するか明らかにすることで、RP進行制御の分子機構の一端を解明することを目指した。これまでに、CRISPR/Cas9システムを用いたPARP1欠損細胞を樹立し、その性質を観察したことで、RP進行を制御する分子機構を明らかにする基盤を整えた。また、その過程で予想外にPARP1の活性を制御する生理因子をとらえることができた。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
Sci Rep.
巻: 11 (1) ページ: 16096
10.1038/s41598-021-94852-8.
Front Neurosci .
巻: 15 ページ: 647589
10.3389/fnins.2021.647589.
Sci Rep .
巻: 11 (1) ページ: 11842
10.1038/s41598-021-90618-4.