研究課題
若手研究
本研究は、PARP1活性制御による網膜色素変性症(RP)の制御機構の解明を目的とした。本研究により、RPに関与する可能性のあるPARP1標的因子がLC-MS/MSにより同定され、これらはより詳細に検証する必要がある。また、眼由来細胞の内、PARP1活性化剤または阻害剤によりPARP1の活性化制御が異なることが明らかとなり、RP進行におけるPARP1の制御機構を明らかにする一助になることが見いだされた。
眼科学関連
RPの原因遺伝子及び機序、またはRP進行を遅らせる治療薬の研究などは広く行われてきた一方で、RPとPARP1活性制御を結びつける本研究は新規性が高い。PAR化タンパク質の同定では、RP制御に関与する直接的な因子を発見するには至らなかったものの、近年報告されている手法を用いることにより、ブレイクスルーとなる潜在性がある。また、本研究で予想外にえられたPARP1の活性制御機構は、RP制御の枠を超えPARP1の新たな制御機構および分子機序を明らかにできる可能性がある。