研究課題
若手研究
本研究では加齢黄斑変性の早期進行に関連するとされるreticular pseudodrusen(RPD)に着目し、頚動脈エコーにおける内頚動脈の内膜中膜複合体肥厚度(Max-IMT)や血管の硬化度(血管抵抗指数)の評価を行う研究を行った。加齢黄斑変性の病型とMax-IMTに有意差を認めなかったが、RPDを認める群では有意に血管抵抗指数が高く、すなわち動脈硬化性変化が大きい結果であった。RPDは脂質に関連した変化よりむしろ、血管硬化・線維化に関連する病態である可能性が示唆された。
網膜硝子体
本研究では加齢黄斑変性の重症度、また特徴的な前駆病変のひとつであるRPDと、全身の動脈硬化の関係を定量的に明らかにした。RPDは血管硬化・線維化に関連しており、血圧の是正や食生活の改善、運動療法などを勧めることができるほか、眼科的な診断から心筋梗塞や脳梗塞などの血管病変の早期発見・早期治療にもつながる可能性があると考えられる。