研究課題/領域番号 |
20K18412
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
森田 真紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60838407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 末梢動脈疾患 / 皮下脂肪組織由来幹細胞 / フコイダン / アカモク / 血管新生 |
研究実績の概要 |
今年度はフコイダンの投与条件についての検討を行った。 まず、既に当学で確率されている下肢虚血モデルマウスを用いた血流評価を行うために、対照群(通常の粉末飼料投与群)、モズクフコイダン群(フリーズドライモズクフコイダン5%含有粉末飼料投与群)、アカモクフコイダン群(フリーズドライアカモクフコイダン5%含有粉末飼料投与群)の3群に分けレーザードップラー血流計での血流評価を行った。具体的には健側と虚血側の血流比を評価するとともに、抗CD31抗体を用いた免疫染色にて新生毛細血管の密度を測定した。これらの検討において、対照群と比較して有意にモズクフコイダンでの血流改善効果を認めることが出来たほか、新生毛細血管の密度は有意に増加を認めた。 次に、使用するフコイダンをモズクフコイダンに限定して以下の内容の検討を行った。虚血の発症前からフコイダンの経口投与継続が望ましいか否かを評価するために、投与タイミング(虚血手術前後で投与を行う群、虚血手術後のみ投与を行う群)の違いによる血流改善効果の差が見られるかを検討した。 その結果、モズクフコイダンの虚血手術前後投与群で有意に血流改善効果を認めることが分かり、免疫染色での評価でも同様の結果が得られた。 以上から、モズクフコイダンを虚血前後で投与することで下肢血流改善に寄与することが言えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験による各群での血流評価を施行し、経口投与実験後のモデルマウス内転筋で凍結切片を作成し、免疫染色による血管新生率の評価を行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
これらの結果を踏まえて、次年度はADSC単独投与群、フコイダンとADSCの併用投与群、それぞれの投与タイミングを設定し比較検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にフコイダン投与に加えてADSCを投与した群での各投与タイミングによる比較評価を行うため、実験にかかる物品や諸経費を必要とするため。
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