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2020 年度 実施状況報告書

光音響イメージングを用いたリンパダイナミクスを定量的に算出するアルゴリズム開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18418
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

浦野 萌美  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (70867986)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードリンパ / 光音響 / 光超音波 / 流速
研究実績の概要

本研究は3次元で血管やリンパ管を描出できる光音響イメージング装置によって得られた画像から、四肢のリンパ流速度と頻度とを定量的に評価するアルゴリズムを確立・精度検証することを目的としている。本期間において、光音響イメージング装置で得られた画像から速度及び頻度を算出するための複数の種類のアルゴリズムを考案し、実際の臨床で得られた画像に適用した。また複数のアルゴリズムによる算出結果を比較することで各アルゴリズムのフィージビリティの確認を行なった。
アルゴリズムの適用先としては臨床研究において光音響イメージング装置によって実際の生体で取得された9名の健常者のリンパ流の流れ20種類を採用した。また、アルゴリズムは流れの検出方法及び流れの数値化手法の組み合わせで計9種類を使用し、解析を実施した。これらのアルゴリズムを用い、光音響イメージング装置の動画によってリンパ流の観察された領域におけるリンパ流の発生頻度と速度とを算出し、その算出結果を比較した。この算出結果を比較し、明らかにリンパ流の動きを捉えることができていないアルゴリズム、ロバスト性に乏しいアルゴリズムを除外した結果、2種類のアルゴリズムが残り、これらが解析アルゴリズムとして有望と思われた。このアルゴリズムによる算出結果を日本超音波医学会第93回学術集会にて発表を行なった。
これまでリンパ管の正常、異常を判定することは侵襲性のあるリンパシンチグラフィーによるところが大きかったが、本研究によるリンパ流の動きの定量化が可能となればより精緻な診断へとつながる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

光音響イメージング装置の不具合が発生したこと並びに慶應大学病院内の病棟工事の影響により、光音響イメージング装置が使用できない期間が発生した。そのため、模擬ファントムの作成並びにファントを用いて定量的に流速を変化させるシステムの作成に遅れが生じている。しかしながら臨床研究で得られたデータを用いた解析を今期間から前倒しで着手することで遅れを最小限にとどめている。

今後の研究の推進方策

遅れが生じたリンパ管模擬ファントムの作成並びに流速を定量的に変化できるシステムの構築を早急に進め、アルゴリズムの定量的評価ができるようにする。研究計画の変更はない。

次年度使用額が生じた理由

実験の遅れが生じたたため、物品費の消化が遅れている。物品費の残額については、次年度の実験環境立ち上げを早急に進める。
Covid-19の影響により学会はオンライン参加となり旅費を使用しなかった。次年度は、本研究の成果をもとに論文投稿に使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Subcutaneous Lymphatic Vessels in the Lower Extremities: Comparison between Photoacoustic Lymphangiography and Near-Infrared Fluorescence Lymphangiography2020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Yushi、Kajita Hiroki、Konishi Nobuko、Oh Anna、Urano Moemi、Watanabe Shiho、Asao Yasufumi、Imanishi Nobuaki、Tsuji Tetsuya、Jinzaki Masahiro、Aiso Sadakazu、Kishi Kazuo
    • 雑誌名

      Radiology

      巻: 295 ページ: 469~474

    • DOI

      10.1148/radiol.2020191710

  • [学会発表] ICG造影光超音波イメージングによるヒトリンパ流の発生頻度と速度算出2020

    • 著者名/発表者名
      浦野萌美
    • 学会等名
      日本超音波医学会第93回学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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