研究課題/領域番号 |
20K18422
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 悠史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40793287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若返り / Parabiosis |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う影響を受け、4半期分の新規実験を行うことができず、実験計画にはある程度の遅れが生じた。その後は徐々に実験を開始することができたが、それ以外にも実験器具の納入にも遅れが生じており、予定通りの計画を達成することはできなかった。 実際の実験に関しては、Supermicrosurgeryを用いたParabiosisを、当初は8週齢未満のICR若年マウスと80週齢以上のGFP老化マウスの鼠経からそれぞれ大腿動静脈を同定し、一方の動脈と他方の静脈を吻合することにより両者の血流を交通させる予定であった。しかし、それぞれの血管は距離が離れており、テンションが強くなってしまうことから、実際に吻合するのはそれより末梢の血管となった。 技術的に難易度が高く、安定した実験個体を複数得ることは困難であったものの、血流を交差させたParabiosisを行うことにより、老化の指標の一部を改善させることができた。 これにて得られた成果の一部は第50回日本創傷治癒学会において発表を行い多くの反響を得ることができた。 このSupermicrosurgeryを用いたParabiosisを行うことで、今まででは達成できなかったより若いマウスとのParabiosisが達成できる可能性がある。今後の目標としてはより若いマウスであればより強い若返り因子を持っている可能性が非常に高いと考えられるので、接合する若年マウスの週齢を変化させて、さらなる実験を行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の影響を受け、約四半期において緊急を要さない実験に関して制限が生じていた。したがって、単純に実験時間分の遅れが生じている。 その他、Supermicrosurgeryを用いたParabiosisについては、技術的に難易度が高く、安定した実験個体を複数得ることが困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
血流がある移植が成功した場合、若年個体でも生存することができ、より若いParabiosisを達成することができる。まず若いParabiosisはより若返りの作用があるという仮説のもとに若年マウスの週齢を変化させたParabiosisを作成し、それにより、より若い個体ではより強い若返り因子がある可能性について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の流行に伴い、四半期の間新規研究がストップしてしまっていた。また、同様に研究室内の密を避けるために実験室の使用に制限が生じてしまったことから実験機会が予定より減少してしまった。これを受けて必要な試薬なども予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。この遅れを取り戻すために引き続き実験を継続していく。また、学会に関してもオンラインがメインとなってしまったことから、現地に移動する交通費宿泊費などが予定より減少した。 本年度において必要なモデルの作成や、解析に予算は使用される予定である。
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