研究課題/領域番号 |
20K18423
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
新美 陽介 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70749457)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 顔面神経再生 / 脂肪幹細胞 / 温度応答性培養皿 / 脂肪幹細胞シート / ラットモデル / ラット顔面神経麻痺モデル / 端側神経縫合 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は脂肪幹細胞シートを用いた顔面神経再建法の確立である。Bell麻痺などの顔面神経不全麻痺に対して、顔面神経本幹と舌下神経の間に自家神経を端側縫合で架橋するinterpositonal jump graft(IPJG)は臨床で広く行われている術式である。しかしながら移植される神経は5-7cmと長く、移植神経の再生不良、ターゲットとなる顔面表情筋や神経筋接合部の萎縮、病的共同運動など様々な課題がある。本実験ではラット鼠径部より採取した皮下脂肪を温度応答性培養皿を用いて培養、作成したシート状の脂肪幹細胞(以下ASCsシート)を移植神経上に移植し、コントロール群と比較して神経再生が促進されるかどうかを検討した。ラットの顔面神経麻痺不全モデルにIPJGを行い、ASCs移植群とコントロール群を作成した。術後13週の移植神経のトルイジンブルー染色における検討ではASCsシート群のミエリン数は2456であり、コントロール群のミエリン数1751と比較して優位にミエリン数が多かった(P=0.02)。またCMAPにおいてはAmplitude, Latencyは有意差を認めないものの、Durationは有意に短縮された(P=0.002)。毎週採点した顔面神経スコアにおいては術後5週におけるASCsシート群のスコアがコントロールと比較して有意に優れた結果であった(P<0.0001)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生理学的検査であるCMAP、Facial pulsy score、組織学的検査のトルイジンブルー、逆行性トレーサーの解析を行った。 また得られた成果を用いて学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
GFPラットを用いた動物実験を行っている。 また電子顕微鏡検査の解析を継続している。 得られた成果を用いて論文を作成中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を行うための諸経費、学会参加、論文作成のための経費が必要であり、継続して行う予定である。
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