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2021 年度 実施状況報告書

コラゲナーゼ表面処理を行った微細加工軟骨の性状が軟骨再生に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K18425
研究機関近畿大学

研究代表者

伊谷 善仁  近畿大学, 医学部, 講師 (70510973)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード軟骨再生 / コラゲナーゼ処理 / 微細加工
研究実績の概要

令和三年度は以下の実験を進めた。
実験:軟骨再生におけるコラゲナーゼ処理の有用性と至適コラゲナーゼ処理時間
移植10週目の標本を採取し、各群におけるサフラニンO陽性断面積から再生軟骨量を算出し、比較検討した。その結果、コラゲナーゼ未処理群の再生軟骨量は、本来の軟骨に比較して、約2.5倍増加していた。一方, 15分群、60分群、および120分群の再生軟骨量は、約4倍増加していた。
各実験群における再生軟骨の接着因子、細胞増殖、および分化を評価する目的で免疫染色をおこなった。フィブロネクチン発現を検討した結果、15分群および60分群のマイクロ軟骨周辺部に一致して、フィブロネクチン発現が亢進し、軟骨再生に寄与している機序が示唆された。一方、未処理群では、フィブロネクチン発現は著明に減弱し、120分群では発現が認められなかった。次に細胞増殖マーカーとして選択したKi67の発現を検討した。その結果、未処理群、15分群および60分群のマイクロ軟骨および周辺の再生軟骨領域において、Ki67陽性細胞が観察された。一方、120分群においては、マイクロ軟骨内のKi67陽性細胞は観察されなかったが、再生軟骨領域のみにKi67陽性細胞が認められた。さらに軟骨分化因子であるSOX5の発現を検討した。その結果、60分群において、マイクロ軟骨周囲の再生軟骨領域に数多くのSOX5陽性細胞が観察された。未処理群および120分群では, SOX5陽性細胞が観察されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね実験計画通り進捗している。実験3はすでに埋植は終了しており、今後埋植した組織の取り出しおよび組織の評価を行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

令和4年度は自家組織モデルに埋植した組織の取り出しを予定しており、組織標本の検討及び評価を行っていく予定である。実験3では、実験2と同様に、コラゲナーゼを用いてマイクロ軟骨の表面処理を行う。その後マイクロ軟骨をPBSにて洗浄(15分)し, 複合型吸収性ポリマーに播種する。実験群として、播種するマイクロ軟骨量の異なる4群(50, 25, 12.5, 8%)を設定している。作製したマイクロ軟骨・複合型吸収性ポリマーの複合体は、前述のサイトカイン (bFGF-DDS)と組み合わせて自家移植し、10週後取り出し、組織の評価を予定している。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度に計画を予定している動物実験のために、イヌを購入予定であり、その費用の予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Surface modification of the cubic micro-cartilage by collagenase treatment and its efficacy in cartilage regeneration for ear tissue engineering2022

    • 著者名/発表者名
      Sueyoshi Yu、Niwa Atsuko、Itani Yoshihito、Yamauchi Makoto、Asamura Shinichi、Teramura Takeshi、Isogai Noritaka
    • 雑誌名

      International Journal of Pediatric Otorhinolaryngology

      巻: 153 ページ: 111037~111037

    • DOI

      10.1016/j.ijporl.2021.111037

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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