今後の研究の推進方策 |
研究1のNPWTモデルに準じて行う。連続モードの圧設定を-25, -75, -200mmHgの3種類に分けて超低陰圧・低陰圧・高陰圧モデルを作成する。また間欠モードについては、5分間隔および10分間隔のモデルを作成する。これらの陰圧レベルおよび間欠モードにおける刺激頻度の違いにより、悪性腫瘍(メラノーマ)の増殖能がどのように変化するかを評価検討し、臨床を想定した適切な圧設定を検討する。評価については以下の評価を施行予定である。 In vivo imaging:超高感度In vivo imaging技術を用いて腫瘍浸潤範囲の評価および発光量による定量評価を行う。また腫瘍の増悪を来した場合、転移が予想される。そのためマウスを安楽死させ、転移の有無および転移巣における腫瘍細胞の総量をルシフェラーゼアッセイにより評価する。 組織学的評価:NPWT期間終了時に潰瘍中心部および潰瘍辺縁から組織を採取し、HE染色を行い、メラノーマの浸潤の深さや範囲を評価する。更にS100, MelanA, Ki67, SOX10などの免疫染色を行い、メラノーマの増殖能の変化を評価する。 リアルタイムPCRおよびWestern blot:メラノーマの腫瘍深達度の指標であるBreslow Score毎に分けてIL-2, IL-6の発現量を評価すると、メラノーマの予後を反映するマーカーとなり得ると(Kucera R, et al. Anticancer Res. 2015)報告した。このIL-2, IL-6に加えてTRP-1, TRP-2, MART-1, p97, MAGE-3, αSMA, SOX10などの発現を定量評価し、Groupによる違いを見ることで、悪性黒色腫の増殖能の変化を評価する。 以上の評価を通じて、NPWTとメラノーマの増殖の関係性を明らかにする予定である。
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