研究課題
若手研究
Negative pressure wound therapy (NPWT)は、創傷を閉鎖環境とし、創収縮の促進、過剰な浸出液の除去と浮腫の軽減、細胞・組織に対する物理的刺激、創床血流の増加、老廃物の軽減効果により創傷治癒を促進する。一方で、悪性腫瘍残存創に対するNPWTの適用は禁忌とされている。本研究では、NPWTの悪性腫瘍に対する影響を検証すべく、マウス悪性黒色腫モデルにおいて、NPWTによる陰圧を負荷した介入群と陰圧負荷を行わないコントロール群で、腫瘍サイズの変化を比較した。
形成外科
これまで、悪性腫瘍の残存する創傷に対するNPWTの適用は禁忌とされてきた。しかしながら、NPWTが悪性腫瘍の増殖や上皮間葉転換をもたらすという基礎的なエビデンスは示されていない。NPWTが悪性腫瘍の増悪をきたさないのであれば、術後早期からNPWTを適用することが可能となり、植皮術の適応拡大・整容性向上につながる。NPWTの悪性腫瘍に対する影響を検証した本研究は、今後のNPWTの適応拡大やより適切な使用法の確立に寄与する意義ある研究であると考えられた。