研究実績の概要 |
正常ヒト角化細胞を用いた単層培養細胞を用いて、正常細胞サイクル内でのautophagyを各種抗体(ATG5, ATG12, Beclin1, LC3B,など)を用いた免疫蛍光染色法で観察した。細胞数がsub-confluenceの状態ではATG5, ATG2の活性化がみられたが、full confluenceになると活性化が下がる傾向にあった。また、三次元培養表皮(Living skin equivalent; LSE)を用いて、同様の免疫染色を行ったところ、基底層ではATG5の活性化がみられた。同様の抗体を用いてWestern blotでも同様の結果を確認できた。 次に単層培養細胞に対し、HMGB1の拮抗薬であるHMGB1 A-boxを投与し、Autophagyの抑制がみられるかどうか、免疫抗体染色法、Western blotを用いて確認したが、明らかな抑制効果が見られなかった。これは投与するHMGB1 A-boxの濃度や投与法に問題があると考えられたため、トランスフェクション試薬(Lipofectamin3000)を用い、どのような条件下で(濃度、時間など)、蛍光マーカーを付与したHMGB1 A-boxが細胞内への確実な取り込みが行わるかどうか、傾向顕微鏡のタイムラスプ機能を用いて観察・検討中である。 これに平行してヒト悪性黒色腫の原発巣または転移巣より分離した細胞株を培養し、継体する予定であったが、コロナ下での研究制限があり当院臨床研究倫理審査委員会への申請段階で待機している状況である。
|