研究課題/領域番号 |
20K18449
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
西村 礼司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60529733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 手機能 / 定量化 / 主観的評価 / 客観的評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、客観的データを増やすことで治療法選択に根拠をもたらすことである。この大目標を達成するために、①従来の評価法と新たな方法の組み合わせによりデータ量を増やす、②先天異常手の手機能に寄与するパラメータを抽出する、の2つを小目標として設定した。 ①に関して、モーションキャプチャは借用すると高額の費用がかかるため、導入前のパイロットスタディとして3方向から同時撮影が可能なビデオカメラを用いている。モーションキャプチャにより機能的ROMが計測できることは既に確認できているため、他にどのようなデータ項目を増やすことができるのか、また、どのような項目が本質的な変化に関連しているのかを探ることがパイロットスタディの目的である。このビデオカメラを用いて、成人を対象に作業能力評価を行なっている場面の記録を行なっている。作業能力検査の本来の評価項目は時間であるが、動画を用いることによって軌跡を分析することができる。はじめに症例数が多く指示も入りやすい成人例で計測項目を定めた上で、小児例の計測に移行する。 ②に関して、手外科の治療目的は手機能の改善である。しかし、手機能という言葉が意味する範囲は非常に広く曖昧である。本研究において有用なパラメータを判断するために、現在利用されている手機能評価法と将来利用できる可能性のある評価法をレビューとしてまとめた。これを英文に翻訳し、海外の専門家と意見を交換している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者を対象に行う研究ではあるが、COVID-19感染の拡大により患者数が大幅に減少したこと、感染予防のため以前よりも評価を行う場所の確保が難しくなったことが影響している。
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今後の研究の推進方策 |
目標を達成するために、感染対策に留意した研究プロトコルを新たに設定し、関係部署との調整を行なっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で患者さんの数が減ったこと、感染対策上使える設備や場所に制限が生じたことから、研究の進め方を従来の計画から修正する必要が生じた。モーションキャプチャの借用を開始すると、借用期間に応じて高額な費用が生じるため、貴重な研究費を有効に使える準備を十分に整えてから使用したいと考えています。
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