研究課題/領域番号 |
20K18478
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 明海大学 (2022) 広島大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
坂本 真一 明海大学, 歯学部, 助教 (60848084)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | Porphyromonas gingivalis / NASH関連肝癌 / 酸化ストレス / hCLSs / TNF-α / 8-OHdG |
研究成果の概要 |
マウスに高脂肪食を投与し、P.g.を60週歯性感染させたHFD-P.g.(+)群とHFD-P.g.(-)群の非腫瘍部肝組織にてトランスクリプトーム解析を行った結果、マクロファージマーカー(Lyz2)の上昇がみられた。HFD-P.g.(+)群では、免疫組織化学的に酸化的DNA傷害マーカー(8-OHdG)の上昇が認められた。これまでに、HFD-P.g.(+)群ではROS産生能を有するTNF-αに陽性のhCLSsが増加することを確認しており、P.g.歯性感染がhCLSsからのTNF-α産生を促し、酸化的DNA傷害を惹起し、NASH関連肝癌マウスモデルの発癌過程に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
|
自由記述の分野 |
歯周病と全身疾患
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌は世界で5番目に多い癌であり、癌関連死の2番目を占める。治療法の進歩により減少傾向にあるHCVやHBVによるウイルス発癌と比較し、肥満を契機として生じるNASH関連肝癌は急速に増加している。NASH 関連肝癌の発症・進行メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、P.g.歯性感染によりNASH関連肝癌マウスモデルの発癌過程が促進される機序として、hCLSsから産生されるTNF-αによる肝細胞の酸化的DNA傷害の関与が示唆された。歯科的介入による歯周病原細菌のコントロールが、NASH関連肝癌発生予防に有用となる可能性が示唆された点で、本研究の学術的意義は大きい。
|