エナメル上皮癌は顎骨内に発生する歯原性の悪性腫瘍である。良性歯原性腫瘍であるエナメル上皮腫からの再発・悪性転化が報告されているが、発症機序には不明な点が多い。顎骨切除手術が適用されるが、広範囲の切除が必要であり、かつ予後不良であるため、治療標的の検討及び悪性化の予防法・早期診断法の確立が求められている。 本研究ではエナメル上皮腫・エナメル上皮癌の病理組織標本を用いてDNAメチル化調節因子であるIDH1遺伝子の発現解析を行った。さらに、空間トランスクリプトーム解析を施行し、関連遺伝子の網羅的な発現検討を行った。加えて、エナメル上皮腫細胞株AM-1を用いて三次元培養実験系の確立を行った。
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