慢性腎臓病は重症化すると人工透析を余儀なくされ、Quality of Lifeが著しく低下するだけでなく心血管疾患発症や感染症による死亡の大きなリスクとなる。近年、慢性腎臓病と歯周病の関連が指摘されつつあるが、その詳細は未だ明らかでない。 本研究では、維持透析外来に通院中の患者を対象としたコホートにおいて、歯周病原細菌と血清の炎症性マーカーに有意な相関を認めることや、糖尿病を併発する患者では歯周病が有意に重度であること、炎症状態と低栄養を併発するMIA症候群に歯周炎が関与すること、口腔内の衛生状態が生命予後に影響を与えることなどを示した。
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