研究課題
歯周病は歯の喪失を引き起こし、オーラルフレイルのきっかけとなる疾患といえる。それゆえ高齢者において本疾患の予防や治療は非常に重要であるが、高齢化に伴う多数の基礎疾患や、患者自身でのプラークコントロールが困難になることにより、積極的な歯周治療介入が行えないことも少なくない。そこで積極的な歯周治療の介入が行えない患者に対して光エネルギーによるphotobiomodulation効果を応用することにより免疫応答を調節し、歯周炎の進行抑制および予防を行える可能性がある。申請者はC57BL/6マウスの上顎第二臼歯に絹糸を結紮して歯周炎を誘導するモデル(絹糸結紮歯周炎モデルマウス)を用いて、結紮後1,3,5日で光エネルギー照射しマイクロCT撮影を行った。撮影したデータは、医用画像解析ソフトウェアを用いて、結紮前の歯槽骨体積から結紮後5,8日の歯槽骨体積の差で骨吸収量を測定した。結紮後8日では非照射群と比べて光エネルギー照射群では、骨吸収の抑制が認められた。また結紮した絹糸を結紮後8日で除去し、DNAを抽出した。抽出したDNA量は非照射群と比較し光エネルギー照射群においては総DNA量が減少していること明らかになった。また抽出したDNAを用いて次世代シーケンサーによる16S rRNA解析を行った。その結果、照射群と非照射群では大きな差は認められなかった。現在、結紮後3,8日後の結紮周囲の歯肉を採取、total RNAを抽出しqPCR法にて炎症関連遺伝子の発現量の違いを計測している。
3: やや遅れている
動物実験はやや遅れている。また臨床研究においては、適切な患者を探すために時間を要しているため。
研究計画に基づき、研究を継続する。
動物実験が当初の計画より遅れており、組織学的評価に必要な試薬の一部の購入を次年度に見送ったため。次年度に試薬を購入予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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