研究課題/領域番号 |
20K18502
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 圭祐 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80828905)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナノメディシン / リポナノカプセル / 抗菌ペプチド / 歯周病 / LDDS |
研究実績の概要 |
細菌感染症である歯周病に対する補助的薬物療法としての既存のLDDS療法は、薬剤耐性菌の蔓延拡大や高齢社会におけるニーズの変化を受けて改善の必要に直面している。すなわち、より長期にわたり薬物が局所に停留し徐放性が維持され、かつ狭域スペクトルで安全性が高い、新規のLDDS製剤の開発が必要とされている。本研究は、コメ由来抗菌ペプチド含有バイオナノカプセルを開発し、既存の抗菌薬に代わる長期徐放型LDDS製剤としての機能を評価することを目指す。 これまでに、機能性ペプチドのバイオナノカプセル化とその機能評価を目的としたIn vitroでの解析を行ってきた。機能性ペプチドに抗菌活性・抗炎症作用に加わる歯周治療に有効な新たな付加価値を見出だすことを目的として、コメ由来抗菌ペプチドが歯肉バリア機能に与える影響につき遺伝子発現解析・細胞透過性試験を用いて検討を行った。 今回の実験より、コメ由来抗菌ペプチドの添加による歯肉上皮細胞のバリア関連遺伝子発現に変動は認められなかった。また、細胞透過性試験においてもコメ由来抗菌ペプチドにより歯肉上皮細胞の透過性に変動は認められなかった。以上の結果から、コメ由来抗菌ペプチドが歯肉バリア機能に与える影響は少ない可能性が示唆された。しかし、コメ由来抗菌ペプチドの創傷治癒促進作用についてはこれまでに報告があることから、歯周病の予防的な効果よりは治療後の治癒促進に影響する可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機能性ペプチドのバイオナノカプセル化に関しては、物質の放出性・生体適合性・細胞親和性などLDDS製剤として必要な機能の獲得を目的とした、ポリマーチューニングによる表面設計の調整を行っているが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、実験を行うことができない時期があったことや物品の供給状況が不安定であったことから遅れが生じている。 その期間は、既存のデータやマテリアルを使用し、機能性ペプチドが歯肉バリア機能に与える影響につき検証を行うことで、機能性ペプチドの歯周治療に有効な新たな付加価値の可能性つき検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
機能性ペプチドのバイオナノカプセル化に向けて、長期徐放性カプセルを作成することを目的としたバイオナノカプセルの機能評価を行う。分解速度やペプチドの放出速度の調整はポリマーチューニングにより実施する。得られたデータを用いて学会発表、論文作成を行うことを目標とし、現在の計画にそって研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、実験を行うことができない時期があったこと、物品の供給が不安定であったこと、関連学会の中止等もあったことから、次年度使用が生じる事となった。 コロナの影響はまだ残っているが、ラボの再開に加え物品の供給も比較的安定してきたため、実験の遂行に必要な物品に関し計画的に購入する予定としている。また、学会はオンライン含め開催が予定されているため、参加費としての使途を予定している。
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