アンジオポエチン様因子は、血管新生作用、リンパ組織の新生能を有し、組織リモデリング因子として機能するのみならず、障害組織の修復を促進するための局所的な環境を整える「局所環境制御因子」としての機能が近年注目されている。しかしこの機能に着目して、歯周炎の制御を狙う検討はこれまでに報告がなく、口腔疾患の理解を深める学術的な意味を持つ。またそのメカニズムが明らかとなれば、歯周炎のみならず全身の上皮系バリア機構が関連する炎症性腸疾患やアトピー性皮膚炎などの病態解明や新しい治療法の開発につながる可能性をもち、その社会的意義は大きい。
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