歯周組織において過度な低酸素応答の結果生じるコラーゲンのP4HA1およびPLOD2による組織の構造変化は、組織破壊の原因である炎症性サイトカインの細胞外基質内への取り込みを増強させ、炎症を遷延化し、炎症性肉芽組織の形成を促進させる一因となるのではないかと考えられる。そこで、歯周病に対する罹患リスクや治療に対する反応性を診断するマーカーとして、P4HA1、PLOD2は有効ではないか、また、これら水酸化酵素の発現量を調整することで細胞外基質の構造の制御ができれば、これまで例のにない低酸素誘導性コラーゲンの制御に基づく治療法もしくは予防法の確立が可能になるのではないかと期待される。
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