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2020 年度 実施状況報告書

間葉系幹細胞が高発現する MXRA5 の歯髄組織恒常性機構探索と再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K18511
研究機関広島大学

研究代表者

吉田 和真  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60846856)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード歯髄 / 硬組織形成 / 硬組織誘導 / 硬組織 / 再生療法
研究実績の概要

間葉系幹細胞は多分化性や抗炎症能を持つことから多くの組織再生治療において重要な役割を果たすことが知られている。一方,歯髄細胞も高い分化能と増殖能を持ち再生医療への応用が期待されるが,その細胞特性を支持する分子基盤は明らかとなっていない。間葉系幹細胞と歯髄細胞がともに高発現する MXRA5 を,歯髄組織中の恒常性維持を多面的に担う因子であると考え,MXRA5 の歯髄組織/細胞における機能解析ならびにその再生医療への応用可能性を検討することを本研究の目的とする。
これまでMXRA5は抗炎症や細胞接着に関わることが報告されているが,歯髄組織内での役割は解明されていない。当研究室で単離した歯髄細胞を実験に供した結果,歯髄細胞ソースによってMXRA5発現や各種増殖因子による反応が異なることが判明した。歯髄組織はヘテロな細胞集団であるため,細胞表面マーカーによってソーティングされた歯髄幹細胞を実験に用い,関連遺伝子の発現増減を調べた。siRNAを用いて遺伝子発現をノックダウンさせた歯髄幹細胞からtotal RNAを抽出し,RNA-seqにかけて網羅的に遺伝子発現を調べた結果,いくつか細胞機能を調整するような遺伝子の発現に増減が見られた。今後これら遺伝子に関して検討を行っていく方針である。
新規作製したリコンビナントタンパク質を用いて,細胞機能が変化するか調べた結果,細胞増殖能に変化は見られなかったが,細胞遊走能を促進する効果が見られた。今後他の細胞機能も含めた検討を行っていく方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は歯髄細胞におけるMXRA5の細胞機能への関わりを調べることを目的としていた。歯髄幹細胞を用いたRNA-seqの結果,MXRA5発現パターンと関連のあるいくつかの遺伝子候補を選択することができ,これまでに確認されている現象と強く関わりを持っていることが確認できたため。

今後の研究の推進方策

今後の方策として,1.抗炎症能を検討するためにLPS,ペプチドグリカンを用い炎症を惹起した歯髄細胞を炎症マーカーとMXRA5の関連を調査する 2.歯髄組織内でのMXRA5の働きを調査するために,う蝕によって歯髄炎を起こした状態の歯髄組織の各種炎症マーカーとMXRA5の関連を調査する 3.本研究で同定された各種マーカーについて,細胞機能への検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては、新型コロナウイルス感染症蔓延による実験環境の制約と,in vitro 実験が計画通りに行えなかったことが挙げられる。今年度使用しなかった予算は同定された各種マーカーの抗体購入費等に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 間葉系幹細胞が高発現する MXRA5 が持つ細胞増殖能・遊走能への効果2020

    • 著者名/発表者名
      吉田 和真,鈴木 茂樹,中西 惇,平田-土屋 志津,山田 聡,柴 秀樹
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2020年度春季学術大会

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公開日: 2021-12-27  

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