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2020 年度 実施状況報告書

口腔スピロヘータの酸化ストレス応答における新規転写調節因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K18518
研究機関東京歯科大学

研究代表者

山下 慶子  東京歯科大学, 歯学部, レジデント (50843538)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードTreponema denticola / 酸化ストレス応答
研究実績の概要

本研究の目的は,歯周病原細菌の一種,Treponema denticola の酸化ストレス応答に関わる転写調節因子(MarR)をコードする可能性のある遺伝子,TDE_0259の機能解析を通して,本菌の酸化ストレス応答機構の一端を明らかにすることである。
これまでに我々は,TDE_0259とその下流でオペロンを形成しているTDE0260の転写量が,本菌が酸素に暴露した際,嫌気条件下と比べ有意に増加していること,またTDE_0259の欠損により,TDE_0260の転写量が有意に増加していることを確認している。
2020年度は,TDE_0259の下流に存在する遺伝子,TDE_0260の欠損株の作出と,TDE_0260欠損株における遺伝子発現の網羅的な解析を行うことを計画した。我々は,TDE_0260欠損株を,エレクトロポレーション法を用いた相同組み換えにより,目的領域にエリスロマイシン耐性遺伝子を挿入し,作出した。現在,total RNA を抽出中であり,今後,遺伝子発現の解析をDNA マイクロアレイ法およびRT-PCR 法にて行う予定である。
次に我々は,TDE_0259リコンビナントタンパク質を作製し,そのリコンビナントタンパク質が,TDE_0259上流のプロモーター候補領域と結合することを,Electro mobility shift assay (EMSA) にて確認した。
以上より,TDE_0259欠損株の作出は,TDE_0259の欠失が他の遺伝子の転写量や,表現型に与える変化を解析することにより,TDE_0259の機能を解析することを可能とした。また,EMSA の結果から,TDE_0259がコードする転写調節因子が,本遺伝子の上流に付着し,TDE_0259,TDE_0260オペロンの転写調節に関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度,TDE_0260欠損株は計画通り作出できたが,DNA マイクロアレイによる遺伝子発現の解析には至っておらず,この点は計画よりやや遅れているといえるが,2022年度に行うことを計画していたTDE_0259リコンビナントタンパク質の作製とプロモーター候補領域への付着の検討が計画より早く進んだため,総合的に判断して,概ね順調な進展とした。

今後の研究の推進方策

当初の計画と概ね変更なく,TDE_0260欠損株の遺伝子発現および表現型を酸化ストレス応答に関連するものを中心に解析することにより,TDE_0260の機能の解明を試みる。

次年度使用額が生じた理由

2020年度末に発注したタンパク精製キット等の納期が2~3週間かかり,年度内に納品されなかったためであり,既にこの額は使用済みである。

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公開日: 2021-12-27  

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