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2022 年度 実施状況報告書

歯冠修復用ジルコニア材に対するイオン注入法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K18524
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

佐藤 隆明  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (90778432)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード歯質接着 / 接着界面 / ジルコニア / イオン注入法
研究実績の概要

歯科のう蝕(むし歯)治療において、う蝕部分を除去(切削)した後に人工材料を用いて歯冠修復を行い、咬合機能を回復させる。近年、人工材料のひとつとして、ジルコニアの利用が広く臨床応用されるようになっているが、一方でその安定性ゆえに化学的な接着を得ることが難しく、研究課題とされている。現在市販されている接着システムにおいては、接着材本体を使用する直前にジルコニアの被着面に対して液体状の処理材を塗布する方法が広く採用されている。本研究ではジルコニア板の被着面に対して、イオン注入技術を用いて被着体そのものの改質を行い、歯科用接着材との化学的な接着を得られやすい状態にすることを目的としている。
イオン注入を行う際には、イオンの注入深度を電圧により調整を行い、また照射するイオン量を調整することで単位面積当たりの照射イオン濃度を設定することができる。これまでに、各種イオンを注入して試料作成を行い、イオンの注入深度を調整しながら、試料を作製する際の電圧を決定した。その後、単位面積当たりの照射イオン濃度を複数設定したジルコニア板試料の作成を行った。注入するイオン種を変えた試料を各々作製し、市販の歯科用接着材を用いた接着試験(tensile bond strength test)を実施して、接着力向上に寄与するイオン種の同定を行っている。その際、イオン種の違いおよび、照射イオン濃度の違いがジルコニアの接着強さに影響を与えることが明らかになった。
しかしながら2020年度からの東京都を対象とした緊急事態宣言により、研究機器(時期によっては実験室そのもの)の利用に制限がかかったため、本実験は全体として予定より遅れが発生している。そのため研究機関を1年延長して、引き続き研究を継続していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度までの研究によって歯科治療を想定したジルコニア接着において、有効なイオン種および照射イオン濃度の絞り込みが出来た。

今後の研究の推進方策

特定のイオン種および照射イオン濃度において、良好な接着強さが得られる機序を明らかにすべく、表面性状の解析作業を行う。

次年度使用額が生じた理由

予定した機器利用ができなかったため。
2023年度に機器利用・材料購入費として使用する予定。また研究成果を公開するために学術雑誌への掲載料、学会発表の費用として使用する予定。

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公開日: 2023-12-25  

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