本研究では、いくつかのmiRNAを介した調節機序が、歯髄炎における治癒・修復プロセスで演じる役割を解明した。さらに、炎症及び修復に関与するmiRNAを内包するエクソソームを利用し、歯髄保存に寄与するための新たな覆髄剤の開発などの臨床応用を検討した。 炎症時に産生されるmiR-21やmiR-146b、miR-27aが炎症抑制機能を有し、miR-27aは歯髄の治癒形態の1つである硬組織形成を誘導する機能も有し、それはエクソソームを介していることが示唆された。これらの結果により、歯髄の病態制御、あるいは再生療法の成功率向上を意図した新規治療法の創成につながるものと期待される。
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