研究課題/領域番号 |
20K18529
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
城戸 大輔 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (40822549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歯周病 / 糖尿病 / 創傷治癒 |
研究実績の概要 |
本研究の学術的背景は、予てより指摘される糖尿病と歯周病の相互関係性が挙げられる。細菌感染症である歯周炎と、代謝疾患である糖尿病の相互関係については多くの研究がなされており、近年では好中球の機能不全、コラーゲン合成阻害、微小循環障害、線維芽細胞機能不全、最終糖化産物や酸化ストレスによる組織破壊への関与などが報告されているが、未だ詳細は不明である。そこで、本研究の目的は、糖尿病患者における歯科治療時における経口糖尿病治療薬の実効性を明らかにするために糖尿病モデルラットの歯周組織における経口糖尿病治療薬の効果をin vitro、in vivoで示すことである。現在我が国では経口糖尿病治療薬として7系統の薬剤が使用されておりその内ビグアナイド系薬剤は糖代謝に関与するAMPキナーゼを活性化し糖代謝を促進する特徴をもつ。本研究では、糖尿病モデル動物にビグアナイド系糖尿病治療薬であるメトホルミンを経口投与することで高血糖状態を改善し、糖尿病による傷害発現を抑制することによって糖尿病が歯周組織の創傷治癒に与える影響について検討した。研究当初は、過去に研究で使用した糖尿病モデルラットを使用したin vivo実験を実施したが、高脂肪食摂食により発現する糖尿病がより適切であるとの結論にいたり糖尿病モデルマウスに対してメトホルミンを投与することによって、空腹時血糖の値の上昇が抑制されることを示し、さらに耐糖能異常やインスリン抵抗性が改善することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、メトホルミンによる糖尿病の改善が歯周組織の創傷治癒へ与える影響について新たに動物種を変えてin vivo実験を行い検討を行った。今後もメトホルミンが創傷治癒へ及ぼす影響について更なる検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施したin vivo実験から得られた結果の精査を行い、in vitro実験を行うことでメトホルミンが創傷治癒へ与える影響についてさらに検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
糖尿病と糖尿病治療薬の研究を遂行するにあたり、2020年度に実施したin vivo実験よりもより正確な研究を実施することが見込めると認識したため2021年度には使用する動物を変更して新たにin vivo実験を実施した。そのため、当初予定していた研究計画よりも遅延し、in vitro研究を2022年度に実施することとなった。
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