臨床現場で遭遇する根面う蝕を想定し、ヒト大臼歯の歯根象牙質を切り出し、脱灰溶液に浸漬し、初期根面う蝕モデルを作成した。試料にUVA活性リボフラビン架橋法を行う際に、リボフラビン溶液に各種フッ化物溶液を混ぜて処理を行った後、再石灰化液に浸漬させ、う蝕の再石灰化を促した。 その結果、走査型電子顕微鏡像では、脱灰面に石灰化物の析出が観察され、元素分析を行った結果、リン酸カルシウムを主成分とする物質の沈着を確認することができた。また、ミネラル密度分析において、非処理群と比べて再石灰化は促されたものの、材料間において明らかな違いはなく、最適な材料および濃度はさらなる検討が必要である。
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